2023年秋、FANATECからトルク12 Nmのダイレクトドライブ式ステアリングホイール「FANATEC ClubSport DD」が発売されました。
今回は「FANATEC ClubSport DD」の開封の様子とXBOX版Forza Motorsportでのレビューを中心にお届けしたいと思います。
※この記事はこちらの動画をまとめたものです。
開封
同梱物は次のとおりです。
- ClubSport DD(本体)
- 電源アダプタ
- 電源ケーブル
- USB TypeCケーブル
- 固定用パーツ
- 取扱説明書
- いつものFANATECシール
電源ケーブルはアース付き3ピンプラグでした。
3ピンコンセントに繋ぐか、事前に3ピン→2ピン変換アダプタを準備する必要があります。
できれば、メーカー側が変換アダプタを同梱してくれると嬉しいですね。
QR1とQR2には互換性がありません。そのため、QR1式のステアリングにQR2変換アダプタ(QR2 Wheel-Sideシリーズ)を取り付けるか、QR2式のステアリングを用意する必要があります。
使用する前にPC経由でファームウェアのアップデートが必要です。
取扱説明書の手順どおりにパソコンに繋いで、ファームウェアのアップデートを行いましょう。
レビュー環境
ハンコン | ClubSport DD |
ファームウェア | version 2.0.1.3 |
モード | XBOXモード |
FANALAB | デフォルト設定 |
ステアリング | XBOX対応ステアリング+QR2 Pro Wheel-Side |
ソフト | XBOX版Forza Motorsport |
PC版の場合、PCのスペックや環境がユーザによってさまざまであり、定量的な評価をすることができません。
特に今回は開封レビューなので、ハードウェア環境が同じになるようにXBOX版にしました。
Gran Turismo DD Proとの比較
良いところ
- QR2の剛性感
- 真円が出て実車っぽさを感じる
- トルクの解像度が高い
- トルクの出るスピード
- トルクカーブの滑らかさ
※例えばClubSport DDが8気筒だとすると、Gran Turismo DD Proは4気筒
イマイチなところ
- 若干バネ感がある
- 振動のオプションは必要ないかも…
- すでにステアリングを複数持っている場合、QR1→QR2の交換が負担
ClubSport DDの製品スペックの高さを感じます。
しかしレビュー時点でFANATECからFANALABへForza Motorsportの推奨設定が提供されていないため、せっかくの高スペックを活かしていない印象です。そのため、スペック的には劣るものの、すでに推奨設定が提供されているGran Turismo DD Proのほうが違和感が少なく満足度が高いといったチグハグな状態になっています。
しかしGran Turismo DD Proも発売当初はあまり良い印象ではなく、その後のバージョンアップや推奨設定の最適化でどんどん良いハンコンになっていきました。従って、ClubSport DDの違和感も今後のファームウェアのバージョンアップや推奨設定値の公開で徐々に改善されていくと思います。
ハンコンの最適化とは?
単に良いブレーキを取り付ければ、クルマは速くなるでしょうか?
いいえ、速くなりません。
良いブレーキを取り付けた上でセッティングを行うことで、その性能がフルに発揮されるようになり、その結果としてクルマが速くなるのです。
同じことがハンコンにも言えます。
いくらスペックが高いハンコンであっても、正しいセットアップが行われていなければ、そのスペックを十分に活すことはできません。
そのため、各シミュレーターやゲームに合わせて、いかにハンコンを最適化するか?が重要です。
ハンコンの最適化はシミュレーターやゲームメーカーのソフトウェアアップデート、またはハンコンメーカーが提供する制御ツール(例:FanaLab、MOZA Pit House)でシミュレーター毎の推奨設定を読み込むことで適用されます。
シミュレーター毎に最適化をする必要があるため、ユーザーに提供されるまでには時間がかかることがあります。実際にGran Turismo DD Proもグランツーリスモ7に最適化されるまで半年から1年程かかりました。
今回のまとめ
ClubSport DDは解像度が高く、レスポンスも速いので基本的なスペックは、Gran Turismo DD Proよりも高いと言えます。しかし現段階ではForza Motorsportに最適化されてないため、違和感を感じました。
今後の最適化によって、ハンコンの挙動が改善する可能性が高いので、期待して待ちましょう。